■「絶対原則」の飽くなき徹底
1対0のままゲームを進めたRB大宮は、後半アディショナルタイムの90+2分にカプリーニが2点目を決めた。途中出場のゴンザレスと富山のお膳立てから、ブラジル人レフティーがダメ押し点をゲットしたのだった。2対0のまま、終了の笛を聞いた。
5位のRB大宮が、17位の富山を下す。順当と言ってもいい結果だが、この試合のRB大宮は細部へのこだわりをはっきりと感じさせた。
左サイドハーフの泉のプレーが分かりやすい。
57分、敵陣で「攻」から「守」へ切り替わった局面で、彼はすかさずボールホルダーへアプローチした。ここでボールを奪い切ることはできなかったものの、足を止めずに左CBイヨハ理ヘンリーをサポートしてマイボールとすることに成功している。
75分にも、相手の攻撃の芽を摘んだ。自分たちのCKのセカンドボールを相手選手と競り合うが、ここで取り切ることはできなかった。入れ替わられてしまったのだが、すぐに追いかけて足を伸ばし、味方選手がマイボールにしている。
現代サッカーで求められる「絶対原則」に対するチームとしての飽くなき徹底が、5月17日以来となる8試合ぶりの勝利につながったのだろう。
今節は首位の水戸ホーリーホックと4位のサガン鳥栖が敗れ、2位のジェフユナイテッド千葉、3位のべガルタ仙台が引分けた。鳥栖やRB大宮と同勝点で7位のジュビロ磐田は、中位のブラウブリッツ秋田に1対4の大敗を喫している。
首位の水戸は勝点48、2位の千葉と3位の仙台は同42、4位へ順位を上げたRB大宮は同41、5位のヴォルティス徳島も同41となっている。
戦国J2は“真夏の陣”へ突入し、ここから各チームの地力が問われていく。