
■RB大宮は交代枠を効果的に使ってスキを見せず
【J2リーグ第24節 8月2日 18時04分キックオフ 富山 0ー2 大宮 富山県総合運動公園陸上競技場】
猛暑の夏の試合は、総力戦だ。スタメンの11人だけでなく5人の交代枠を有効活用していく必要がある。チームとしての総合力が問われる局面である。
8月2日に行なわれたJ2リーグ第23節、RB大宮アルディージャ対カターレ富山は、真夏の消耗戦を乗り切るモデルのような一戦だっただろう。RB大宮の長澤徹監督の采配が巧みだった。
長澤監督は1対0で折り返した後半開始直後に、右サイドハーフの津久井匠海を下げてFW藤井一志を起用した。津久井は先制点の流れに絡んでおり、前半のパフォーマンスは悪くはなかった。ただ、ビハインドを負った富山が後半開始とともにパワーをかけてくることは十分に予想される。相手の出方を見越しての交代だったのだろう。
2度目の交代は59分だった。2トップの一角の豊川雄太を下げ、MFカプリーニを投入した。ブラジル人アタッカーは1・5列目周辺でボールを収めながら、自らも積極的にゴールを狙っていく。豊川はゴールへの意欲をはっきりと見せていたが、アタッキングサードでのボール支配率と縦への勢いを、カプリーニ投入でさらに勢いづける狙いがあっただろう。背番号29は67分にペナルティエリア外から左足を振り抜き、左ポスト直撃の一撃を浴びせている。
70分にはFWオリオラ・サンデーが下がり、FWファビアン・ゴンザレスが投入された。相手CBへの圧力を高める交代だ。
最後は2枚替えである。ボランチの谷内田哲平、左サイドハーフの泉柊椰を下げ、MF和田拓也、FW富山貴光を送り出した。
和田は35歳、富山は34歳の経験者である。1対0でリードしている残り10分強で、何をするべきなのかは分かっている。彼らは自分の立ち位置を意識しつつ、必要に応じてボールへ激しくアプローチしたり、素早くブロックを作ったり、敵陣深くでボールをキープしたりした。端的に言えば、相手が嫌がるプレーを心がけ、スキを見せなかったのである。