■引いて守る相手を「攻略」するために

【41分の浦和のスローインを福岡がインターセプトする場面】

 浦和スローターがなぜゴールキーパーのほうにスローインをしたのかわからない。サンタナにスローインしてスローターに戻せばいいのに、あえてリスクを侵す必要などないだろう。

 前半での戦い方と、後半での戦い方が同じような展開になっている。前半も後半も試合スタート後すぐに前からボールを奪おうとプレスをかける浦和。しかし、福岡は人数をかけて引いて守ってきたので、裏へのスペースがない。

 密着マークされるサンタナは、相手を引き連れて下がって味方にスペースを提供しようしたが、福岡の守備の固さに防御されてしまう。

 ポストプレーを得意とする選手ならば、相手が密着してこようがボールをキープできるけれども、サンタナはそうしたタイプの選手ではない。ボールをロストする回数も多かった。

 ただし、もともと引いて守る相手を攻略するのは至難の技であるし、相手が自分たちよりも攻撃力が上回るチームならば、当然の守備戦術になってくる。

 福岡が対浦和の守備をハードにしっかりとやった結果が、0-0の同点になった試合だったと言える。

 浦和レッズが今後、上を目指すためには、守備での凡ミスは論外だが、浦和の高い攻撃力を恐れ、引いて守る相手が今後も続出することが予想される。その際に、前線からプレスをかけ続ける以外の「攻撃の引き出し」が必要なのではないだろうか。

 

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