■同じゴールラインに「2個」並んだゴール

 さて、【写真02】は、ドイツのヴォルフスブルクの「フォルクスワーゲン・アレーナ」の南側のゴールである。現代のゴールは、ゴールポストを「埋め込み式」にし、ネットは後方のゴール外にポールを立てて引っぱるという形になっている。

【写真02】フォルクスワーゲン・スタジアムでのドイツ戦があんな結果になると、誰が予想しただろうか。©Y.Osumi

 撮影は2023年9月8日。この翌日、日本代表はこのスタジアムでドイツ代表と対戦し、2-1のリードで迎えた後半の終盤、久保建英の素晴らしいプレーから浅野拓磨と田中碧のゴールで4-1の圧勝を飾ることになる。ドイツ代表監督ハンジ・フリックを解任に追い込んだ2つの得点が決まったのが、このゴールだった。

【写真03】は異常である。同じゴールラインにゴールが2個並んでいる。実は、向こう側のゴールは試合前のGK練習用で、ゴール前の芝生が荒れるのを防ぐために、最近使うスタジアムが増えてきている。当然、練習が終わったら取り外すので、支柱のついた「据え置き式」である。ただGK練習でこのゴールを使うかどうかはチームの自由なので、まったく使わず、本来のゴールだけで練習するチームもある。そのGKが、正面に来たグラウンダーのシュートをイレギュラーでつかみそこない、失点してしまうのを見るのは楽しい。

【写真03】練習用にもうひとつゴールを出すのは、2012年のロンドン五輪で初めて見た。ゴール前の芝を守るため、どこでも採用するべきではないか。©Y.Osumi

PHOTO GALLERY ■【画像】代表監督解任を決めた「久保建英」活躍のゴール(写真02)から河川敷で役立つ「折り畳み式」ゴール(写真07)まで、世界ゴール珍百景(1)
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