■選手も観客も「危険のない」時期

 しかし、どれも根本的な解決にはつながらない。ワールドカップを選手も観客も危険なく楽しめる大会にするために、「10月開催」を原則とすることを提案したい。この時期なら、世界の多くの地域で比較的、穏やかな気候に恵まれるはずだ。

 2026年の次、2030年大会は、スペイン、モロッコ、ポルトガル3国の共同開催で、それにウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイの「百周年記念会場」が含まれることになっている。6月なら、南米の3会場は「冬」に当たるが、欧州から北アフリカの3か国は、アメリカやメキシコ以上の暑さが予想される。そして、その次、2034年大会はサウジアラビアである。

 世界の多くの地域では、サッカーシーズンは8月に開幕し、翌年の5月に閉幕する。ワールドカップや欧州選手権といった大会を、シーズンオフの6~7月ではなく、10月に持っていけば、選手は毎年しっかりオフをとることができ、ケガが減り、選手寿命も伸びるのではないか。

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