日本では「昼間の公式戦」が取りやめになるも…「6月9月も無理!」の声、理想はメッシ&エムバぺ激突の「異例開催」カタールW杯【北中米ワールドカップは「10月開催」にすべし】(2)の画像
キリアン・エムバぺを破ってリオネル・メッシがカタールW杯で優勝できたのも、「異例な時期」の開催だったことが関係しているのか。 撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 猛暑に代表される「気候変動」が日本はもちろん、地球規模で大問題になっている。サッカーもその影響を免れることはできず、アメリカで開催中のクラブW杯でも、突然の落雷などで試合が2時間近くも中断するなど、さまざまな実害が出ている。“世界最大のスポーツの祭典”であるワールドカップだが、今後も開催できるか分からないと警鐘を鳴らすのは、サッカージャーナリスト大住良之氏だ。ワールドカップ、ひいてはサッカー競技を守るために、我々は今後どうすればいいのか? 大住氏が「開催日程」の変更などを含めた、大規模な「構造改革」を提案する!

■7月8月じゃ「足りない!」

 暑さも雷も、元は同じだ。異常と言っていい気温の高さにある。高温によって生まれた急激な上昇気流から積乱雲が生まれ、雷を発生させる。ついでに言えば、近年さまざまな国で頻発している山林火災も気温の異常な高さが原因だ。19世紀以来の人類の経済活動によって大気中の二酸化炭素が増加し、それによる「温室化」現象が、近年の「異常気象」の根本的な原因であるというのが、現在の定説だ。

 こうした中、危機にさらされているもののひとつがサッカーだ。日本サッカー協会は、昨年から原則として7月と8月の2か月間の日中の公式戦を取りやめにしている。しかし、昨年や今年の気候を考えれば、この2か月間だけでなく、6月も9月も、すなわち4か月間にもわたって、昼間の試合をするのは無理になってしまったように感じる。

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