■落雷による「前代未聞」の出来事

 さて、アメリカで行われているFIFAクラブワールドカップ(FCWC)では、暑さだけでなく、雷でたびたび試合が中断し、大きな問題となっている。

 6月28日に行われたラウンド16のチェルシー(イングランド)×ベンフィカポルトガル)では、チェルシーの1-0のリードで迎えた後半40分過ぎから落雷の恐れのために、試合が2時間近く中断するという前代未聞の出来事があった。この大会では、アメリカ政府の方針により、10マイル(約16キロ)以内で落雷があったときには、野外で行われている活動は30分間中断して状況を見るという決まりがある。試合が行われていたシャーロット(ノースカロライナ州)は黒い雲に覆われただけだったが、規定を破るわけにはいかなかった。

 2時間近くの中断後、再開された試合では、後半の残り5分間とアディショナルタイムがプレーされ、その間にベンフィカが相手の「ハンド」でPKを得て「95分」に同点として延長戦になってしまった。延長戦ではチェルシーが3点を奪って4-1で決着がついたが、7万4867人が定員のスタジアムに2万5926人と発表された観客の大半は中断中に帰宅してしまい、スタンドにはまばらな観客しか残っていなかった。

(2)へ続く
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