■「本当に寒かった」アジアユース選手権

 ところで、その水原の思い出というと、今から29年前にさかのぼります。1996年10月に行われた、第29回アジアユース選手権(現AFC U-20アジアカップ)のときでした。10月というのに、このときは今回とは逆に、本当に寒かった記憶があります。

 朝鮮半島も日本海(韓国語では「東海」)側はまだ気候も日本的ですが、半島の西側、それも北寄りの地域(つまり、ソウルや水原がある辺り)は気候も大陸的になってきます。冬は本当に足元の地面から凍りつくような寒さが伝わってきます。ソウル市内を流れる大河、漢江(ハンガン)が凍結することもあります。

 それにしても、あのときは10月というのに、本当に寒かったものです。

 さて、29年前のアジアユース(翌年のワールドユース予選を兼ねて、U-19代表によって争われる大会)は、韓国の入ったグループAがソウルの今はもう取り壊されてしまった東大門(トンデムン)運動場で、日本や中国が入ったグループBが水原の綜合運動場を舞台にして行われました。

 そこで、僕はソウルの東大門駅前に宿をとりました。東大門運動場までは歩いていけますし、東大門駅で地下鉄1号線に乗れば、乗り換えなしで水原に行けるというわけです。こうして、毎日、寒さの中を東大門と水原を行ったり来たりする生活が始まりました(試合は、各グループ中1日の日程で行われました)。

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