
■FWは日本人2トップ
J2リーグ6月14、15日に19節を消化し、前半戦が終了した。毎シーズン恒例の前半戦ベストイレブンをセレクト。ここからはFW、監督、9人の控えメンバーを紹介する。
同じポジションに複数の候補がいる場合は、個人のスタッツの比較や所属チームの成績を考慮している。もちろん、データが必ずしも優先されるわけではない。印象的なプレー、記憶に残るプレーなども、できる限り考慮している。
前半戦9ゴールは渡邉新太(水戸)、マテウス・ジェズス(長崎)と並んでリーグトップだ。そのなかで小松を選んだのは、前半戦を14位で終えたチーム総得点のほぼ半分を叩き出しているからだ。それも、周囲のお膳立てによるゴールではなく、自身がクオリティを発揮した得点が多い。ゴール前でのポジショニングは、思わず「見事」と言いたくなるほどに巧みだ。
●FW 渡邉新太(水戸ホーリーホック)1478分出場
加入1年目ながら主将の腕章を巻くこの男抜きに、水戸の大躍進は語れない。総シュート数が彼より多い選手は何人もいるが、得点ランキングでは首位に並んでいる。前線からの献身的な守備に加えて、アタッキングサードでクオリティが見せつけている。プロ1年目の18年に記録した10ゴール越えは確実で、その得点がクラブの躍進の支えとなっている。
●監督 森直樹(水戸)
9節から19節まで11試合負けなしで、13節からはクラブ記録の7連勝。ハイプレスとブロック形成を使い分けながら、新加入選手の特徴をチームに落とし込んだ。GKと4バックは新加入ながら、失点数はリーグ最少2位。得失点差はプラス13と、攻守のバランスに優れたチームを作り上げている。
★控えメンバー
GK 笠原昂史(RB大宮アルディージャ)1710分出場
2対1で勝利した5月の千葉戦が月間ベストセーブ賞に選ばれるなど、勝点奪取に直結するセーブを何度も見せている。前半戦リーグ最少失点の徳島のGK田中颯らも選ばれるべき選手だろうが、笠原の選出は広く支持を集めるはずだ。
CBダニーロ(FC今治)1395分出場
鈴木大輔(千葉)、市原吏音(RB大宮)、菅田真啓(仙台)、デルラン(大分)らも候補に上がってくるなかで、J2昇格1年目で上位に食らいついている今治からダニーロを選出。リーグ最少3位タイの失点は、相手の攻撃を確実に跳ね返す彼の存在が大きい。
DF高橋壱晟(ジェフユナイテッド千葉)1620分出場
4バックの右SBを担い、ビルドアップから崩しにまで関わる。首位で前半戦を折り返したチームで、取り換えの効かない存在となっている。8節の水戸戦で決めた右足のスーパーゴールは、年間ベストゴールの有力な候補と言ってもいい。
右SB真瀬拓海との縦関係は、チームのストロングポイントに。スタートポジションはサイドハーフが多いが、ゴール前のポジション取りに優れるフィニッシャーとして、前半戦はチームトップの6ゴールを記録。昨シーズンに続いて守備での献身性も高い。