ルキアンの先制点を許した「中盤の守備」、グスタフソンの同点弾を生んだ「トップ下の動き」【横浜FC戦で見えた「浦和レッズ」がクラブW杯で勝つために必要なこと】(2)の画像
トップ下としてチームの勝利に貢献したマテウス・サヴィオ。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 2025年6月1日、浦和レッズ対横浜FCの試合が埼玉スタジアム2002でおこなわれた。試合は2-1で浦和が勝利した。浦和のフォーメーションは「4-2-3-1」で中盤は三角形を敷く。一方の横浜FCのそれは「3-4-2‐1」のスリーバックでワントップになる。 
 では記事前半に続いて後半では、43分のルキアンの先制ゴールの場面から分析していこう。
 なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見て、プレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=8uX-Qg7cv54

■安居海渡が「ついていくべき場面だった」

【43分のルキアンの先制ゴールの場面】
 ルキアンがカットインした瞬間に、安居海渡がついていくべき場面だった。カットインからシュートに来ることは予測されることなのだから、安居が粘り強くついていってシュートコースを防ぐか、センターバック(以降、CB)のダニーロ・ボザが前に出てケアするのかのどちらかだろう。

 ルキアンの思いっきりの良さが出たシュートだと言えるのだが、バイタルエリアでストライカーをフリーにすると、こうした結果になってしまうので、フリーでボールを持たせてはならないのである。

【53分のサミュエル・グスタフソンの同点弾の場面】
 サミュエル・グスタフソンのシュートが決まるのだが、横浜FCのGK市川暉記のプレーはいただけない。キャッチングしようとして弾いてしまったようだ。正面のボールだったので、とても、もったいないプレーである。グスタフソンがフリーでペナルティエリアに入り込んでシュートできたのは、トップ下のサヴィオがポケットのほうにフリーランニングしたからだ。

 サヴィオの動きにCBのンドカ・ボニフェイスがつられてしまっている。本来ならば、グスタフソンの前に立って進路を防がなければならないボニフェイスが、サヴィオの動きに同調してボールウォッチャーになってしまった。このシーンも、マテウス・サヴィオの動きがグスタフソンのフリーを作っている。

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