【2025年J2「第17節」V・ファーレン長崎VSジェフユナイテッド千葉「徹底分析」】長崎、元日本代表MFのフリーラン&アシストからの豪快ヘッド決勝点 J2は再び混戦に突入【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
6戦負けなし、チームを立て直してきた長崎・下平隆宏監督   撮影/中地拓也
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■長崎の決勝弾を生み出した山口蛍のランニング

【J2リーグ第17節 5月25日 14時03分キックオフ 長崎 1ー0 千葉 PEACE STADIUM Connected by SoftBank】

 38試合を消化する長いシーズンには、ターニングポイントとなる試合がある。J2リーグでここまで9位のV・ファーレン長崎にとって、5月25日に行なわれたジェフユナイテッド千葉との一戦は、チームにとって分岐点となるものだっただろう。

 長崎は前半からボールを保持してシュートへ結びつけながら、0対0で折り返した。後半も試合の構図は変わらないが、ホームの長崎は勝点3がほしい。交代カードを切るタイミングは、勝敗を左右するポイントだ。

 千葉の小林慶行監督が65分に最初のカードを切ってきたなかで、長崎の下平隆宏監督は72分に2枚替えをする。両ウイングバックのMF増山朝陽とMFマルコス・ギリェルメを下げ、MF笠柳翼とMF松澤海斗を送り込む。千葉は74分にも2枚替えをしてきたが、先にスコアを動かしたのはホームの長崎だった。

 78分、ロングカウンターを仕掛け、FWマテウス・ジェズスが単独でボールを運んでいく。センターサークル付近からペナルティエリア内まで持ち込んで左足を振り抜くと、相手GKホセ・スアレスにセーブされる。そのボールを自ら収めて松澤へつなぐと、右ポケットのMF山口蛍へ浮き球のパスが通る。キャプテンがゴール前へ折り返すと、FW山崎凌吾がダイビングヘッドで押し込んだのだった。

 アシストを記録した山口は、ドリブルで持ち出したマテウス・ジェズスにパスを出していた。そのまま足を止めることなく相手ゴール前へ侵入し、決勝点となるアシストを決めたのだった。J2屈指のタレント集団と言われるチームで、J1のヴィッセル神戸から移籍してきた元日本代表が、勝負どころを見極めたフリーランニングでゴールを演出したのだった。

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