■半年間ですでに大きな存在感
今季からスタッフとして活動する森谷さんは、麻生グラウンドでもよく見かける。練習の輪に入ることもあれば、周囲から見守ることもある。空いている時間を見つけて選手とチームメイト同士のように近い距離感で談笑することもあれば、竹内弘明強化本部長や長谷部茂利監督らと真剣な表情で話し込むこともある。さまざまなものを結び付けるという役割において、そのポジショニングはとても有益に見える。
サウジアラビア・ジェッダで行われたACLEファイナルズでは、チームの決勝進出決定後に負傷した選手らとともに渡航。遠く日本から見守っていた選手のそばに寄り添いながら、時間を過ごしていた。日本帰国時にも、選手とクラブの間に立って優しく見守っていた。
18日のイベント時に森谷さんに「この役割になって、最初の大きな仕事ですね」と聞くと、「そうでしたっけ……」とここまでの半年間を振り返っていたのだが、その時にハッとした思いがあった。
森谷さんの仕事は、今回の「AKI41 スペシャルシートwithインフォマート」のように大きく表に出ることもあるだろう。一方で、人と人、あるいは街や組織をつなぐように、目に見えないものも多いのである。心やつながりは数値には表せない。そして、近くで森谷さんの動きを見ていれば、クラブやチームに有形無形の多くのものを与えていることが伝わってくる。その存在が、このクラブを大きく育てる。
(取材・文/中地拓也)
【その16「対戦相手」に続く】