■「ミドルパス1本」で局面を打開
【18分の川崎のシュート場面】
この場面は、長谷部茂利監督になってからの川崎の新たな攻撃パターンである。山本悠樹から1本のミドルパスで伊藤が相手ディフェンダーの裏をとって独走する。伊藤のシュートは惜しくもバーに当たって枠に収まらなかったのだが、ミドルパス1本で局面を作るサッカーをやれる川崎は、状況によって多種多様な攻撃ができるチームになってきたと言える。
横浜FCの最終ラインの選手からすれば、山本が蹴ってくるとは考えていなかったのだろう。川崎からすれば、横浜FCは最終ラインを少し高くとっていたので、背後のケアがおろそかになるだろうと読んで、ミドルパスを蹴ってきたとも想定される。こうしたアイデアは長谷部監督の指示なのか、山本が考えてのプレーなのかはわからないが、相手の弱点を突く攻撃だった。
記事後半は、川崎のフリーキックでの同点ゴールの場面から分析していこう。