■パイロットに代わって「操縦」?

 パイロットはかなり太った年配の男性でした。で、軽飛行機は左右のバランスを取るのが大事なので、ツアー参加者の中でいちばん太っていた僕が副機長席に座ることになりました(今は、だいぶ体重を落としました)。

 万一、パイロットが心臓発作でも起こしたら、僕が代わって操縦しなければいけないんだと思ったので(映画の見過ぎ?)、僕は離陸のときから隣のパイロットの一挙手一投足を見逃すまいと思っていました。そして、飛行機が順調に飛行し始めた頃、下を見るとサンアンドレアス断層が目に入ったのです。

 地上を走っていたら、たぶん丘がずっと連なっているだけに見えたでしょう。大型旅客機に乗って、1万メートル上空を飛行していたら、「ああ、断層だ」と思っただけだったでしょう。

 しかし、小型飛行機は高度4000メートル程度を飛んでいたので、断層の様子をはっきりと見ることができました。

「ああ、教科書の通りだ」。それが、僕の感想でした。

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