後藤健生の「蹴球放浪記」第265回「“鳥の眼”から見る世界の巨大地形」の巻(2)ワールドカップ決勝の地で知った「教科書の偉大さ」の画像
カスピ海岸に立つ筆者(1997年)。提供/後藤健生

 サッカーの名手はプレー中でも、鳥が空から見るようにフィールド全体を俯瞰できるという。蹴球放浪家・後藤健生は、世界各国でのサッカー観戦を通じて「鳥の眼」の重要性を知った!

■小型飛行機に乗って「大断層」へ

 巨大地形で思い出すのは、アメリカ・カリフォルニア州のサンアンドレアス断層です。北アメリカ・プレートと太平洋プレートの境界の横ずれ断層で、同州を南北方向に貫く全長1300キロほどの大断層。カリフォルニア州で何度も大地震を引き起こしています。

 断層というものは世界中にいくらもあって珍しいものではありませんが、サンアンドレアス断層は地表面にその断層がはっきりと顔を出しているのです。

 僕がこの断層を見たのは、1994年のアメリカ・ワールドカップのときでした。決勝戦はロサンゼルス近郊のパサデナにあるローズボウルだったので、ロスに滞在しており、そこからグランド・キャニオン観光に行ったのです。

 小型飛行機に乗って、グランド・キャニオンに向かいます。

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