
■CBの飛び出しが生んだ先制点
【J2リーグ第15節 5月10日 14時03分キックオフ 大宮 3ー0 仙台 NACK5スタジアム大宮】
上位対決の連戦で、最高の解答を弾き出した。
J2リーグ第15節が5月10、11日に開催され、3位のRB大宮は10日、2位のベガルタ仙台を3対0で撃破した。首位のジェフユナイテッド千葉に競り勝った前節に続いて、上位との直接対決を制したのである。ここまで8戦負けなしで直近は3連勝の仙台を、攻守ともに圧倒したのだった。勝点1差だった仙台を抜いて、大宮はJ1自動昇格圏の2位に浮上した。
RB大宮の勝因のひとつ目にあげられるのは、16分の先制弾である。
そのきっかけは、大胆な攻め上がりにあった。自陣での被ファウルからRB大宮が試合を再開すると、3バック左の下口稚葉が相手ペナルティエリアへ一直線に走り出していく。この動きを見た右CBガブリエウが、前線へロングフィードする。
下口はロングボールに競り勝てなかったものの、相手DFがクリアしたボールをFWファビアン・ゴンザレスがヘディングでつなぎ、FW豊川雄太が左MF泉柊椰へパスをする。泉はペナルティエリア左から縦への突破をうかがいながら、ペナルティエリア内へ横パスを通す。ゴール前へ残っていた下口がこれをワンタッチで落とすと、MF小島幹敏が左足アウトサイドでシュートする。
この一撃は仙台のGK林彰洋に弾かれるが、右ポストに当たったボールをファビアン・ゴンザレスがプッシュした。
下口は3バックやウイングバックで起用される選手だが、どちらのポジションでも神出鬼没に前線へ飛び出していく。その動き出しが仙台の守備陣の陣形を乱し、先制点につながったのだった。すなわちそれは、勝負どころでポジションにとらわれないRB大宮の基本姿勢が生み出したもの、と言うことができる。