■今年から「決勝大会」が集中開催に

 昨年までのACLの決勝はホーム&アウェー方式で行われていた。しかも、さらに公平を期すため、ある年に東地区で決勝の第1戦が行われたら、次の年は西地区で第1戦を行うようになっていた。

 ところが、ACLエリートに衣替えした今年から、決勝大会(準々決勝以降)が集中開催となり、舞台はサウジアラビアとなったのだ。東地区のチームにとっては明らかに不利な条件だ。

 それでも、「来年の決勝大会は東アジア」というのであれば公平性を保てるが、来年の決勝大会もサウジアラビアで開催されることがすでに決まっている。

 決勝大会がサウジアラビア開催となったことに伴って「サウジ・マネー」が流入し、優勝賞金は1000万ドル(約14億5000万円)と昨年までの倍以上に増額された。準優勝に終わった川崎も400万ドル(6億円弱)を獲得。各ラウンドの勝利給を含めると川崎は総額660万ドル(約9億5000万円)を手にしたと報じられている。

 J1リーグの優勝賞金が3億円であることを考えると、きわめて大きな金額を川崎は手にしたことになる。強化費として、あるいは施設整備費として有効に使ってもらいたい。また、強いチームを作ることによって収入が増えるということになれば、今後、Jリーグ各クラブが積極投資を行うモチベーションになるかもしれない。Jリーグ全体の財政規模が拡大する方向に動いてほしい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3