■日本クラブと「ケタが違う」財力
川崎が準決勝で対戦したアル・ナスルにはクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)やサディオ・マネ(セネガル)、マルセロ・ブロゾビッチ(クロアチア)といった世界的な選手がおり、優勝したアル・アハリはブラジルのロベルト・フィルミーノやアルジェリアのリヤド・マフレズなどを擁している。
“身の丈経営”の日本のクラブとはケタ違いだ。
川崎も三笘薫(ブライトン)や守田英正(スポルティング)、旗手怜央(セルティック)、田中碧(リーズ)などを輩出したが、主力級は次々と欧州に移籍し、現在、川崎に在籍している日本代表選手は高井幸大だけだし、マルシーニョやアリソンといったブラジル人助っ人たちも国際的には無名の選手だ。
選手の名前や財政規模で比べたら、まったく比較にならない。
そもそも、サウジのクラブは半数以上の選手が外国籍だが、川崎は大半が日本人選手ばかり。従って、当然、下馬評は「サウジアラビア勢絶対有利」だった。
しかし、準々決勝で延長戦の死闘の末にカタールのアル・サッドを下した川崎は、準決勝ではC・ロナウドのいるアル・ナスル相手に撃ち合いを演じて3対2で勝利。準々決勝以降、川崎はいつもスコアで先行し、追いつかれても突き放すという展開が続いていた。そして、2試合で6ゴールを奪って見せた。