■サウジしか「開催できない」現実

 2027年にはサッカーのアジアカップ、2034年にはワールドカップ開催が事実上決まっており、将来的にはオリンピックの誘致も目指している。2021年の東京オリンピックのときには、建設されたスポーツ施設の後利用が問題になったが、サウジアラビアとかカタールといった資源大国にとっては数多くの巨大スタジアムを建設しても、そのためのコストや大会後の後利用などについて、誰も問題にしない。

 48か国(あるいは64か国)参加に拡大されたワールドカップは共同開催が普通のことになっていく。1つの国でこんな大会を開催できるのは、サウジアラビアのような資源大国以外にないからだ。

 サウジ・プロフェッショナルリーグに所属するサッカーの主要クラブも、巨額の強化費を使って世界中のスーパースターをかき集めて強化を図っている。

 すべてが、政府系ファンドの出資である。

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