■「進んでいきます」
瀬川にとって、ジェッダでの時間はさまざまな思いがあったはずだ。詳細は書かないが、練習や練習後の様子を取材エリアから見ていて感じることが多かったからだ。
この悔しさを次にどうつなげていかなければならないか――。
筆者が尋ねれば、すぐに、「いや、僕は、変わらず、今年立てた個人の目標のために進んでいきます。進んでいくつもりです」と力強く話す。
そして、「今日、自分が出ていたら、（チームを）勝たせられたって心の底から思っている」とも言い切る。
「とにかくその自分の価値の証明を、日本に帰って、またすぐ連戦があるので、次ピッチに立った時のチャンスを、今日の悔しさをそこにぶつけたい」
そう話す瀬川にとって、ジェッダではさまざまな種類の悔しさがその胸中に生まれたはず。これまで幾多の困難と苦労を乗り越えてきたからこそ、サウジアラビアでの時間を、次の成功と栄光に必ず変えてみせる。
（取材・文／中地拓也）
