■選手変更とシステム変更でRB大宮が決勝点奪取
67分だった。GK笠原のロングキックを、2トップのひとりの杉本健勇が収める。2トップのパートナー豊川がすぐにボールを受け、相手のマークを剥がして持ち出す。右サイドハーフの藤井一志がサポートとしてパスを受け、ゴール前へクロスを入れる。このパスはつながらなかったものの、ファーサイドからDF下口稚葉が折り返す。
大外へのクロスに反応したのは藤井だ。左足でしっかりインパクトし、ゴール左スミへ流し込んだのだった。
1対0とした直後の68分、大宮・長澤監督は藤井を下げてMF和田拓也を投入する。34歳のベテランが攻撃から守備への切り替えで存在感を示し、失点のリスクを減らしていく。最終盤には右CKからガブリエウのシュートが左ポストを叩く場面も作り出し、RB大宮は1対0で逃げ切ったのだった。
今シーズンのRB大宮は、75分以降の失点がない。NACK5スタジアム大宮では3勝1分と無敗だ。ホームでの戦いと終盤の攻防には自信を持っており、それがこの日も勝利につながった。
札幌はここまで黒星先行で苦しんでいるが、J2のなかでも地力のあるチームだ。その相手に自分たちのスタイルを正面からぶつけ、1対0で競り勝った。J2復帰1年目のRB大宮にとっては、自信を深める勝利と言えるだろう。CB濱田水輝、MFアルトゥール・シルバ、FWファビアン・ゴンザレスがケガなどでメンバー外となっているなかで、出場機会を得た選手が勝利に貢献している。
11節を終了したJ2リーグでは、ジェフユナイテッド千葉が10勝1敗で勝点を「30」に乗せた。2位の大宮は勝点23で、3位のFC今治が勝点20、4位のベガルタ仙台が勝点19となっている。5位以下は勝点差が詰まっており、毎節ごとに順位が入れ替わるような状況だ。
これで4戦負けなしのRB大宮は、29日の12節でいわきFCと対戦する。相手はJ3降格圏の18位に沈んでいるが、直近2試合は連勝を飾っている。状態は上向きだ。
今シーズンここまで2勝1分2敗と五分のアウェイで、RB大宮は好調のいわきを下すことができるか。中3日での連戦となるが、長澤監督は「選手は試合をやっているほうが楽しいだろうから、それについては心配していません」とポジティブにとらえている。