■「油断できない」18位・横浜FMとの一戦
【60分の浦和が逆転した2点目の場面】
右サイドから松尾がバックパスをする。石原広教に再びバックパス。ボールが下げられたので、京都はラインを上げていく。サミュエル・グスタフソンに横パス。さらにグスタフソンから1人を経由してワンツーパス。京都のCBとSBの間に立っていた渡邊凌磨にパスが出て、シュートを決めた。
松尾から渡邊への流れは、浦和の素晴らしい攻撃パターンのひとつだ。すべてダイレクトでボールを回すことで、京都の選手はひとり1人にプレスに行くのだが、常に置いていかれる状態になる。そうしたことを繰り返していくと、守備する側のポジショニングにズレが出てくる。
グスタフソンがボールを受けたとき、2つのパスの選択肢があった。それは渡邊かサヴィオにである。右SBの須貝は、サヴィオへのパスを警戒してケアしようと前に出る。
最初は1対2だった渡邊と京都ディフェンダーだったが、60分14秒のシーンを見てもらいたい。渡邊とウイリアムは1対1になっている。サヴィオの動きに釣られた須貝が、ポジションを離れてしまったのである。渡邊はインパクトを考えたシュートを打って、ボールをゴールに叩き込んだ。ダイレクトパスの有効性を実証したような攻撃だった。
4月20日の日曜日には横浜F・マリノスと対戦する浦和。横浜は18位と低迷している。しかし、チームの地力があるので、浦和にとって油断できない。ただ、直近2試合の攻撃のリズムを保って戦えば、3連勝もかなうはずだ。コラムでも指摘したように、細かい守備に注意が必要ではある。