【J1川崎を取材して感じた「育てる力と心」とは(12)】ACLEの激動の裏にあった長谷部茂利監督のジェッダでの青空面談。試合に出られない選手と向き合い、話したこと……「私が解決できるんだったら」の画像
ACLE決勝での川崎フロンターレの長谷部茂利監督 撮影:中地拓也
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 川崎フロンターレにとってACLEファイナルズはあまりに大きな出来事だった。悔しくも誇らしくもある準優勝という結果を迎えた現地時間5月3日の決勝前日、練習場で長谷部茂利監督が見せた姿を記したい――。

 中2日という不利な日程を乗り越えて挑んだこの大舞台。サウジアラビア・ジェッダ市内で全体練習が終わると、それぞれの選手がそれぞれのリズムで翌日の決戦へとを調整する。そのトレーニング場の片隅で、ピッチに座り込んで話し合う2人の姿があった。長谷部茂利監督と、ある選手だ。
 ピッチの端っこで話していることで、その内容はまったく聞こえてこない。しかし、それぞれが伝えたいことを言葉に尽くしていることは、感じられる。身振り手振りも何を表しているのかは分からないが、長い時間をかけていること、そして表情から、大事な内容であることは伝わった。
 決勝の前日に、いや、前日だからこそ、長谷部監督が言葉を尽くしたことが後に分かる――。

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