【J1川崎を取材して感じた「育てる力と心」とは(7)】「自分がゴールを取るよりも嬉しいんです」と指導に当たる大黒将志コーチ。「みんなゴールが一番好き」と話す爛漫さでもたらす新しい空気の画像
川崎フロンターレの大黒将志コーチ 撮影:中地拓也
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 今年からコーチングスタッフに名を連ねている大黒将志コーチは、異色の空気を放ちながら指導に当たっている。

「コーチじゃなくて、選手みたい(笑)」
 雰囲気をそう説明するのはFW山田新で、選手と一緒になって練習し、声を出し、はしゃぐのだという。さらに、「ずっと俺だけを見ています」とも明かす。それはゲーム形式の練習時の時で、山田の近くにいて「そこでこう動く」「そのときは●●を見て」といったように細かく指示。大黒コーチはそうして日本代表としても結果を残した自身の動き方を伝授しようとしているのだという。
 もちろん、山田だけでなく神田奏真やエリソンに対しても同様だ。沖縄キャンプ時に大黒コーチに聞いた際には、詳しい内容は明かさなかったものの、自ら作成した映像をFW陣に渡したうえで、指導に当たっているのだという。
「こういうポジショニングもあるよ」
「こんな動き方もある」
 その場面・場面を見せながら、それぞれに具体的な個人レッスンを行っている。
「自分がゴールを取るよりも、指導した選手がゴールする方が嬉しいんです」
 そう話して見せた笑顔は、とてもまぶしかった。

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