■ドーハで「アルゼンチン人」に囲まれて
僕が泊まっていたのはドーハの南、アル・ワクラ市にあった外国人労働者用住宅でした。
人口300万人のうち、カタール国籍は30万人ほど。肉体労働や家事労働などは南アジア、東南アジア、アフリカなどからやってきた労働者にすべて任せているカタール。その労働者は労働者向け集合住宅で集団生活をしています。
高い塀に囲まれた敷地内に、まったく同じデザインの3階建ての集合住宅が何百棟も建ち並んでいるのです。
アル・ワクラに新しく建設された新築の集合住宅を、ワールドカップ観戦者用に貸し出し、大会終了後に改装して労働者住宅にするというわけです。
世界各国からのファン、サポーターが何万人もともに宿泊し、無料のシャトルバスに乗ってスタジアムや市内に往復するわけです。
で、僕が借りていた部屋の周囲は、ほとんどがアルゼンチン人でした。人口約4000万人のアルゼンチンから、数万人がワールドカップのためにカタールに来て、1か月を過ごすわけです。