【2025年J2「第8節」モンテディオ山形VSジュビロ磐田「徹底分析」】スコアレスドローも白熱した両サイドのバトル 磐田の右MFジョルディ・クルークス封じと左SB松原后VS山形右MFの攻防【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
山形の守備を前に決定的な仕事ができなかった磐田右MFジョルディ・クルークス  撮影/中地拓也
【前編へ戻る】

■磐田のクルークスを封じた山形の野嶽

【J2リーグ第8節 4月5日 14時00分キックオフ 山形 0ー0 磐田 NDソフトスタジアム山形】

 シーズン序盤のJ2は、星の潰し合いとなっている。8節を終えてJ1昇格プレーオフ圏の6位から17位までが、勝点5差でひしめき合っているのだ。

 4月5日、6日に開催された第8節では、J1昇格候補のジュビロ磐田モンテディオ山形が激突した。磐田はここまで5勝2敗の3位、山形は2勝2分3敗の14位である。

 どちらも自陣からパスをつないで前進していきたいチームで、質的優位をもたらす「個」を揃える。そのなかで試合の行方に影響を及ぼしたのは、磐田の右MFジョルディ・クルークスと、山形の左SB野嶽寛也のマッチアップだった。

 クルークスはクロス総数とドリブル総数で、リーグトップを争う数字を残している。右サイドのタッチライン際で幅を取りつつ、利き足の左足から高精度のクロスを供給していく。

 相対する野嶽も、クルークスの特徴はもちろんインプットしている。バトルする場面で激しくプレーし、クルークスに決定的な仕事をさせなかった。磐田はクルークスがクロスを供給できなければ、長身CFマテウス・ペイショットの高さをゴール前で生かせない。前半の磐田がシュート0本に終わったのも、右サイドからの攻撃が機能しなかったことと無関係でなかった。

  1. 1
  2. 2