
サッカー日本代表が2026年ワールドカップへの出場を「世界最速」で決めた。この大会の主催者は「The Greatest World Cup」と、大会を自ら褒めたたえるが、その言葉は「真実」なのか。サッカージャーナリスト大住良之が「問題点」を指摘する!
■緊張感に欠ける「グループステージ」
今大会の最大の問題は、「48」という出場チーム数にある。
当初は3チームずつ16グループに分け、各組上位2チーム、計32チームで「ノックアウトステージ」に入る予定だった。3チーム総当たりは、日程的に非常に不公平な形で、1試合目と3試合目で2試合を戦うチームが圧倒的に有利になる。他の2チームは2試合目が「連戦」となるのである。同時に、3チームのうち2チームが「ノックアウトステージ」に進むという「グループステージ」は、あまりにゆるく、緊張感に欠けることになると予想された。すなわち、「グループステージ」は「プレシーズンマッチ」のようなもので、「本当のワールドカップ」はノックアウトステージからということになる―。
しかし、2022年大会での熱戦を見て、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンチーノ会長が心変わりし、即座に2026年大会のフォーマットを変えて「グループステージ」を4チームずつ12グループとした。しかし、その結果、「ノックアウトステージ」に進むのは「各組上位2チーム+各組3位の12チームのうち8チーム」という、またまた「スポーツ的」ではない形になってしまった。
すべては「史上最大」の「48チーム」にしたせいなのである。