■思わぬ形での「1点ビハインド」

 それまで見せていなかった形で同点に追いついて前半を終えたFC東京だったが、後半立ち上がりにまさかの失点。ヴェルディの攻撃を防いだ流れでボールを持ったGKの野澤大志ブランドンがプレスに掛かり、交錯した染野唯月がボールをゴールへ押し込んだ。
 思わぬ形で1点ビハインドとなってしまったFC東京だったが、不幸中の幸いは、これが終盤ではなく、52分という早い時間だったこと。精神的ダメージの大きな失点シーンとなってしまったものの、折れることなく反撃に集中することになった。
 ヴェルディはFC東京の攻撃を跳ね返す際に木村勇大へのロングボールを選択するが、木村誠二がそれを簡単に収めることを許さず。カウンターからのチャンスもあったものの、野澤大志ブランドンのたび重なる好守もあり、FC東京の反撃ムードが停滞することがないまま、時間が流れていった。
 マルセロ・ヒアンや北原槙、仲川輝人といった攻撃的な選手を投入し、最後まで攻め続けるFC東京。惜しいシーンは少なくなかったが、ヴェルディがゴールを許さないまま終盤に突入した。
 そして試合終了が見えてきた89分、エンリケ・トレヴィザンが頭で決め、ついに2-2に。勝ち点1を分け合った。試合終了の笛が響くと、昨年から3戦連続となったドロー決着に対し、ダービーにふさわしい熱戦だったとはいえ、両チームのサポーターはブーイングを選択。ダービーは勝利あるのみ、という姿勢を明確にした。リーグ戦での次の東京ダービーは9月中旬の第29節。次こそ決着となるか。

■試合結果

東京ヴェルディ 2-2 FC東京

■得点

20分 林尚輝(ヴェルディ)

43分 佐藤恵允(FC東京)

52分 染野唯月(ヴェルディ)

89分 エンリケ・トレヴィザン(FC東京)

PHOTO GALLERY ■【画像】QRコードでの「先制パンチ」も!「思わぬ形」での失点と最終盤「89分」の同点弾、「3年連続の決着」にサポータの出した答えは?
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