■東京世代の牙城を崩せないパリ世代
しかしながら、それから2年以上が経過し、久保より若い選手で定位置を確保したのは、22歳のGK鈴木彩艶(パルマ)1人だけ。昨年6月の2次予選に招集された鈴木唯人(ブレンビー)を含め、指揮官もパリ五輪世代をマメにチェックしてはいるものの、東京五輪世代の牙城を崩す逸材が現れていない。それは紛れもない事実と言っていい。
森保監督の続投が決まった際、「カタールW杯の主力メンバーが不動のまま、4年後の2026年北中米W杯で行くのではないか」という懸念があった。今のところはそれが現実になってしまっている。あと1年でパリ世代、2005年生まれ以降のロサンゼルス五輪世代がどこまで頭角を現してくるかというのは、非常に重要なテーマと言っていい。
25日のサウジアラビア戦(埼玉)から新世代が強烈アピールを見せ、新たなサバイバルがスタートしてくれれば、未来への希望も感じられる状況になる。そういった道筋を見出すべく、まずはバーレーン戦を確実に勝ち切ること。それを指揮官と選手たちには強く求めたいところだ。
(取材・文/元川悦子)