■なぜ「落馬洲口岸」を選んだのか?

 香港と中国の間の「口岸」はいくつもあります。最もメインで、また最も古くからあるのは落馬洲の東にある「羅湖(ローウー)口岸」です。

 昔々、中国が完全に鎖国状態だったころ(1960年代まで)、西側諸国から中国に行く直行便はありませんでした。そこで、日本から中国に入るためには香港に飛んで「羅湖」で国境(この頃は香港は英国領でしたから「国境」です)を越えて中国に入国したのです。

 日本の政府や経済界の代表団が訪中するときも、1957年にサッカーの日本代表が中国に遠征したときも、やはり「羅湖口岸」から中国に入ったのです。僕もこれまで何度か「羅湖口岸」を通過したことがあります。

 では、今回、僕は数ある口岸の中からなぜ「落馬洲口岸」を選んだのでしょうか?

 口岸までの交通費が安かったという理由もあるのですが、実は僕にとってここは懐かしい場所だったからです。(2)に続く。

(2)へ続く
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