【G大阪相手に圧巻ゴール。中島元彦が秘めるC大阪への責任、仙台への感謝(1)】「お父さん・お母さんのように接してくれた」と語る仙台サポーターへの恩返しと、繰り返した「悔しい」の言葉の画像
G大阪戦でゴールを決めて喜ぶセレッソ大阪の中島元彦 撮影:中地拓也

「自分は決めることしか考えていなかった」

 セレッソ大阪のFW中島元彦がそう答えたのは、2025年2月14日のガンバ大阪対セレッソ大阪の、82分に途中出場した瞬間の気持ちだ。ベンチスタートとなったこの試合で、出番が回ってきたのは残り時間が8分というタイミング。監督からのどんな指示があって、そして、どのような心持ちだったのかを尋ねれば、冒頭のような力強い言葉が返ってきた。

 今季からチームを指揮するアーサー・パパス監督からは「前でプレスをかけながら」という指示があったが、それを守りつつも、“結果を残す”という気持ちであふれていたという。
 その執念が実ったのは、90+4分のこと。こぼれてきたボールを冷静に拾うと、力強く相手ゴールに前進。ペナルティエリア内で立ちはだかった中谷進之介を見事な切り返しで置き去りとする。さらに、そのカバーに入った福岡将太をもフェイントでいなすと、左足でよく抑えたシュートを放つ。一森純の逆を突いたゴールはあまりに鮮やかで、2人のCBとGKの3人がうなだれるしかないものだった。
「最初は(すぐに)打とうと思ったんですけど、思ったより食いついてくれたんで、冷静に決めれてよかった」
 ゴールについて聞くとこう振り返る中島にとって、「ホッとした」というこのゴールはいろいろな重みがあった。セレッソ大阪のため、そして、成長させてくれたベガルタ仙台のために、その証明が欲しかったからだ。

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