【長谷部・川崎をけん引する両サイド。浦項戦で見せたもの、さらに見せるものとは(2)】佐々木旭の心に火をつけた「2つの悔しい場面」とは……「前半28分の関係」が右サイドコンビをさらに活性化の画像
川崎フロンターレの右サイドは伊藤達哉と佐々木旭の組み合わせだった 撮影:中地拓也
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 川崎フロンターレの佐々木旭は、うまく体を入れたつもりだった。硬いピッチゆえに、バウンドが大きくなる。前半7分、川崎フロンターレ陣内の右サイドでもボールは不安定に宙に浮かび、それを察知して浦項スティーラースDFワンデルソンからボールを奪った、はずだった。

 しかし、そこからワンデルソンがグッと足を伸ばす。気が付けば体をうまく入れ替わられていた。
 11分にも、似た場面があった。佐々木はまたしてもワンデルソンに体を入れ替わられてしまったのだ。
 チーム全体でピッチコンディションを確認しながらの序盤に起きた2つの場面。佐々木は心の中に悔しさを持たずにはいられなかった。
「なんとしても、やってやろう」
 2つの場面が、背番号5の心に火をつけた。前半38分に山田新が先制点を決めたが、そのきっかけは佐々木の中へのドリブル。
「前半、なかなかうまくいってない中で、自分が何とかしてやろうと思っていました。自分の特徴はやっぱり持ち出し。そこで何か違いを作れればいいなと思いながら運びました」
 クロスからの得点を増やすことは、沖縄キャンプでも取り組んできた。そして、そのクロスを入れやすくするための形も、話し合っている。佐々木の勇気と闘争心が、先制点を呼び込んだ。

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