プロ初契約時の400倍の年俸よりも「重要なこと」、今夏の移籍と最大の挑戦「サッカー選手として最高のところに到達したい」【140億円移籍を拒否「ブライトン三笘薫」に幸あれ】(3)の画像
所属クラブと日本代表で「最大の目標」を追い続ける三笘薫。撮影/原悦生(Sony α1使用)

 巨額のマネーが動くサッカー界。だが、どんな大金にも、心を動かされない選手がいる。サッカージャーナリスト大住良之は、サッカー日本代表・三笘薫の「決断」にエールを送る。

■サッカー選手の「至高の夢」

 現代のサッカー選手たちの最大の目標は何だろうか。

 世界最高レベルのイングランドのプレミアリーグでの活躍だろうか。クラブとして臨む最高峰の大会であるUEFAチャンピオンズリーグ優勝だろうか。そして何よりも、代表チームでプレーするワールドカップは、誰にとっても至高の夢にちがいない。

 しかし、その一方で、とにかく大金を稼いで家族や親族を幸福にしたい、そのためであれば、チャンピオンズリーグやワールドカップの「栄誉」など自己満足に過ぎないと思っている選手も案外、多いのかもしれない。それはそれでひとつの「生き方」であり、非難すべきものではない。

 だが三笘はそうではない。明らかに「日本人サッカー選手として最高のところに到達したい」という思いを持っている。だからプレミアリーグで優勝争いをし、チャンピオンズリーグを制覇できる可能性を持ったクラブでのプレーを願っているはずだ。ブライトンでそれがかなわなければ、プレミアリーグ内での「ステップアップ」を狙うかもしれない。アルヒラルからの誘いには見向きもしなかった三笘だが、今夏プレミアリーグの優勝争いをするクラブ(=チャンピオンズリーグ優勝の有力候補)に移籍する可能性は十分ある。

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