1クラブを除いて「すべて北極圏」、最大のハードルは「片道26時間」問題【トランプに「狙われた」世界最大の島、同サッカー協会の「一足早い」決断が大波紋】(3)の画像
サッカーが国際政治に影響を与えていた⁉(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 アメリカ大統領に返り咲いたドナルド・トランプ氏は、就任前から世界中を驚かせる発言を繰り返してきた。そのひとつが「グリーンランドを購入する意思がある」という発言だ。そのグリーンランドでは、サッカー協会が気になる動きを見せているという。サッカージャーナリストの大住良之が、その動きが世界に波紋を広げる可能性をズバリ指摘する!

■1クラブを除いて「すべて北極圏」

 ヌークはグリーンランド島の南西部にあり、北緯64度10分。「北極圏」の町である。ちなみに、「プロリーグ」の8クラブはすべて西海岸のフィヨルド地域の町にあり、1クラブを除いてすべて北緯66度33分以北の「北極圏」にある。

「ヌークスタジアム(収容2000人)」には、2016年にグリーンランドで初めて人工芝が敷設された。国際試合の基準を満たしたものだったが、UEFAはピッチ以外のスタジアム施設がUEFAの基準に満たないことから加盟を拒否していた。

B-67とともにIT-79というクラブがこのスタジアムを使用し、「代表チーム」のホームともなっている。グリーンランドには18のサッカー場があるが、現時点では「ヌークスタジアム」が唯一の人口芝のピッチで、他は、残念ながら、すべて砂地である。

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