後藤健生の「蹴球放浪記」第248回「プラハで見た世界最大のスタジアム!」の巻(2)ローリングストーンズで「10万人」集客、無駄になった「国立競技場」1500億円の建設費の画像
プラハではアイスホッケーの世界選手権が開催中だったので、ついでに観戦。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、世界でさまざまなものを目にしてきた。中には、想像を超えるものもあった。2003年にバロンドールを受賞した元ユベントス副会長、パベル・ネドベドが育った祖国のチーム、スパルタ・プラハには、25万人を収容できる「巨大サッカー場」があった!

■使い道がなくなった「巨大スタジアム」

 第2次世界大戦末期、チェコなど中部ヨーロッパはソ連軍の占領下に置かれ、戦争が終わると共産主義政権が樹立されます。ソ連の傀儡政権です。

 そして、共産党政権の下では「スパルタキアード」と呼ばれるスポーツの祭典が行われました。日本の国民体育大会(現、国民スポーツ大会)のようなものですが、共産主義政権の威信を示すためのマスゲームも盛大に行われました。共産政権時代、「ストラホフ・スタジアム」は、そのための恰好な場所を提供してくれたのです。

 しかし、共産党政権も倒れると、次第にこの巨大なスタジアムは使い道がなくなってしまいました。1990年にローリングストーンズのコンサートが行われて、10万人が集まったそうですが、その後は取り壊しも検討された。しかし、2003年にスパルタ・プラハの練習施設になったそうです。

  1. 1
  2. 2
  3. 3