■すでに始まっているフラットな状態からの競争

 長谷部監督が目指すと思われるサッカーで、その戦術にシンパシーがあり、序盤のキーマンになりそうなのはファンウェルメスケルケン際と山本悠樹か。
 ファンウェルメスケルケン際に率直に聞けば、「そうであったら嬉しいです」と答えたうえで、「求められるものが多いポジションだと思うので、これからどういった形でサッカーを構築していくのかはすごい楽しみ。しっかりとサポートしつつ、自分も成長できて、タイトルに繋れられればいい」と話す。
 山本悠樹にも同様に尋ねれば「そうなればいい」としたうえで、「自分に足りないものを補ってくれると思うんで、いろいろ学んで、より成長しながらやりたい」と笑顔を見せた。
 ただし、新監督の下でフラットな状態で競争が始まるということで、選手のそれぞれの鼻息も荒い。昨季は悔しいシーズンを過ごした山内日向汰は「今年が勝負の年」として、中盤の前目のポジションをイメージしながら、「ちゃんと戦い続けることができればチャンスはあると思うので、そこでアピールできるように日々の練習からちゃんとアピールしていきたい」と話す。
 昨季、J3福島で大活躍を見せて復帰した大関友翔も、「24年の1年間を、(復帰した時の)フロンターレの力になるために、練習や試合に励んできた。そういった意味では、ベストイレブンも結果のところでも自分の価値を示せた」と自信を持つ。
 また、昨季、日本代表デビューを果たした高井幸大は「リーダーになりたい」と話せば、キャプテンとして昨シーズンを戦った脇坂泰斗は「先頭に立ってチームを引っ張っていくところを求められていると思いますし、Jリーグでも圧倒的な存在にならないといけない」と断言する。
 はたして長谷部フロンターレはどのようなチーム作りを進めるのか。14日から始まる沖縄キャンプで、本格的な落とし込みが行われる。
(取材・文/中地拓也)

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