サッカーを求めて世界中を旅してきたベテランジャーナリストの後藤健生。そんな百戦錬磨の旅人を驚かせるのは、中国の人々だ。蹴球放浪家がスタジアムで、街中で、遭遇した、良い意味でも、悪い意味でも「存在感がありすぎる」隣国の人々!
■サンクトペテルブルクでの「存在感」
とにかく、ロシア・ワールドカップのときには、中国の存在感がすごかったのです。
ロシア滞在中のある日、僕はサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館を見学に行きました。
ロシア帝国を支配していたロマノフ王朝は西欧文化に憧れを持っており、数多くの美術品を収集。それを、サンクトペテルブルクの宮殿に展示したのが、ロシアの「エルミタージュ美術館」です。フランス・パリの「ルーブル」、スペイン・マドリードの「プラド」と並んで「世界3大美術館」と言われています。
朝の開館時間前に行って、早々に入場しました。そして、しばらくすると中国人観光客が押し寄せてきました。大変な数です。美術館の窓から外の広場を見下ろすと、入場を待つ中国人の行列が見えました。
あまりの人数に、とても美術品を鑑賞できる状態ではなくなってしまったので、半分ほどの見学を終えた僕は、その後は速足で駆け抜けて美術館を後にしたのです。
日本に観光に来ている中国人観光客は富裕層や中間層が多いようで、服装などは日本人や西洋人と同じようで、言葉を聞かなくては中国人かどうか分かりません。
しかし、ロシアにいた中国人のそうした人々とは服装などもまったく違います。おそらく、地方都市からやって来た、比較的、貧しい層の団体客なのでしょう。つまり、ロシア旅行は欧米や日本に行くより格安なので、貧しい地方からの観光客が多いのでしょう。