第１０３回全国高校サッカー選手権の２回戦が１２月３１日に行われ、前回王者・青森山田（青森）を打ち破った高川学園（山口）の奇策「トルメンタ」からのゴールが話題をさらった。
初披露は３年前の第１００回大会だった。コーナキックなどのリスタートの際に複数の選手が手を繋いで輪になった状態からグルグルと回転し、相手のマークを錯乱させてゴール前に一気に走り込む高川学園のセットプレー戦術。その未だかつてない“奇策”は、スペイン語で「嵐」を意味する「トルメンタ」と命名されて大きな話題となった。そしてその威力は、今大会でも抜群だった。
高川学園にとって今大会初戦となった相手は、前回大会の優勝校であり、直近８大会で４度の優勝、２度の準優勝を誇る“王者”青森山田。前半を０−０で終えて迎えた後半７分だった。
右サイドからのコーナキック。ボックス内のニアサイドで高川学園の４人が手を繋いでグルグルと回る。その時間、約７秒。すると、その中の一人、柿本陽佑がボールに駆け寄ってフリーになると、ショートコーナー気味のグラウンダーのパスを受けて左足シュート。惜しくも逆サイドのポストを叩いたが、その跳ね返りを拾い、最後は大森風牙が押し込んでゴールネットを揺らしたのだ。
