後藤健生の「蹴球放浪記」第244回「韓国では戒厳令でも普通にできた!」の巻(1)隣国で突然の「大統領弾劾」決議、内乱罪で「死刑確定」の大統領は名ゴールキーパーの画像
10月26日の日韓戦は、エース長谷川唯(左)の活躍もあって、4‐0で日本が完勝したが、日本には韓国に勝てない時代があった。撮影/原壮史(sony α‐1)
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 今とは違い、ビザが必要な時代から、韓国へ何度も足を運んできた蹴球放浪家・後藤健生。隣国の大統領による12月3日の「戒厳令」宣言は、世界を驚愕させたが、蹴球放浪家の脳裏に浮かんだのは、韓国における「サッカー」と「独裁政権」、そして「軍事衝突」の意外な関係だった。

■世界各国で政府が「機能不全」に

 去る12月3日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣言しましたが、国会の決議によって、すぐに解除されました。さらに、国会は14日になって大統領弾劾決議を可決。憲法裁判所が弾劾を認めれば、大統領は罷免されることになります。

 来年1月には、アメリカでドナルド・トランプが大統領に復帰します。新政権の閣僚に指名された人物のほとんどは、トランプ次期大統領に忠誠を誓う人物ばかりで、政治の素人がほとんど。

 トランプの勝利はインフレに苦しんだアメリカ国民が、バイデン政権に対して反対票を投じたことによるものですが、トランプ次期大統領が主張するように、輸入品に対して高関税を課してしまったら、物価はさらに高騰するはず。また、保護貿易で外国製品を締め出せば、アメリカ産業の国際競争力は、ますます下がってしまいます。つまり、新政権の政策は矛盾だらけなのです。

 さらに、ヨーロッパでもフランスやドイツでは極右勢力が台頭。連立政権が崩壊して政府が機能不全に陥ってしまいました。

 いわゆる「民主主義」国家で、政治がきちんと機能している国はほとんどなくなってしまいました。

 そんな中で、日本では10月の総選挙の結果、自由民主党がオウンゴールで敗北。しかし、中道左派(立憲民主党)が議席を伸ばし、中道(国民民主党)がキャスティングボートを握った状況下で各党が妥協しながら、政治はなんとか前に進んでいます。日本の有権者の投票行動は、素晴らしかったと思います。

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