■「圧勝が続いている」最近の日韓戦
さらに、話を広げよう。
現在、野球の「プレミア12」という国際大会が開催されている。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)がランキング上位12か国を招待して開かれる国際大会だ。
この大会に参加している日本代表は、開幕戦でオーストラリア代表を破ると、11月17日のキューバ戦まで4戦全勝でスーパー・ラウンド(決勝リーグ)進出を決めている。4戦目のキューバ戦こそ、最終回までもつれる大接戦となったが、その他の試合は日本の順当勝ちだった。第2戦の韓国戦では韓国に先行されたものの、5回までに逆転して、そのまま逃げ切った。
韓国とは2023年のワールドベースボールクラシック(WBC)でも対戦したが、このときは13対4という一方的な試合だった。
2009年のWBCでは、日本と韓国は各ラウンドで何度も対戦し、勝ったり負けたりを繰り返し、決勝戦でも3対3の同点で延長にもつれ込み、最後はイチローのタイムリーで勝利をたぐり寄せるという大接戦を演じている。
だが、このところ、日韓両国の力の差が開き、日本が優位に立っている。
あるいは、ラグビーでもかつては日韓両国は激しいバトルを繰り返しており、アジア・ラグビーフットボール大会や1998年のバンコク・アジア大会で日本が敗れたこともあったが、最近の日韓戦では日本が70点、80点を取っての圧勝が続いている。
どうやら、日本とアジアのライバルの力関係では、多くの球技で日本優位に変わってきているようなのである。
サッカーでも、中国はJリーグ発足前の1980年代までは日本にとって難敵の一つだったし、ご承知のように韓国は、1980年代までは日本にとって「ライバル」と呼ぶこともはばかられる、大きな「壁」だった。
1959年のローマ・オリンピック予選で勝利してから(ただし、1勝1敗で得失点差で敗れた日本はオリンピック出場権を失う)1993年のアメリカ・ワールドカップ予選で勝利するまで、ワールドカップやオリンピック予選で日本は勝利することができなかったのだ。
当時の日本のサッカー・ファンにとって、日韓戦の勝利こそが最大の喜びであり、「夢」でさえあった。
そんな時代はもはや過去のもの。最近は韓国相手の試合では、各カテゴリーで3対0といったスコアで日本が勝利することが多くなっている。