「忘れ去られた」中国と「大きく開いた」韓国との力の差、失われた30年の間に「躍進を遂げた」日本スポーツ【日本サッカーと「アジア最強国」中国は、なぜ立場が逆転したのか】(3)の画像
インドネシア戦では出番のなかった久保建英。バルセロナ戦で大活躍しただけに、同じく絶好調の中村敬斗と一緒に、中国戦での出場を期待したい。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 11月19日、W杯アジア3次予選で、中国代表と再び激突するサッカー日本代表。前回はホームで7‐0の快勝だったが、今回のアウェイでも「日本の優位は動かない」と断言するのは、サッカージャーナリストの後藤健生だ。その根拠とは? かつてアジア最強国の名をほしいままにした中国と、挑戦者・日本の激闘の日々を振り返りながら、 日本サッカーの今後を占う!

■あらたな「金づる」を見つけたFIFA

 2000年代は、FIFAが中国の強化にかなり期待していた時期があった。その資金力が魅力だったし、市場としても期待できる。今でも、ワールドカップの試合の広告看板には、スポンサーとなった中国企業がズラッと並んでいる。FIFAとしては、いずれ中国にワールドカップも開催させたかったのだろう。

 だが、ここ数年で中国経済は急減速。かつてのように、選手を爆買いすることもなく、ワールドカップ開催の夢を追うこともなくなった。FIFAは、中国の代わりにカタールやサウジアラビアという“金づる”を発見したので、中国に期待する必要もなくなった。カタールやサウジアラビアではワールドカップをはじめ、さまざまなサッカー関連のビッグイベントが開催され、中国は忘れ去られたような存在となっている。

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