「求めたい」地域チャンピオンズリーグとの統合、JFL昇格の挑戦権は「余裕のある」日程で戦うべし【5日で5連戦の過酷な大会「全国社会人サッカー選手権」は中止せよ】(3)の画像
今年、JFLに初昇格した栃木シティは現在、JFLで首位に立っており、わずか1年でJ3昇格を果たす可能性が高い。多くのクラブチームがJリーグを目指す現在、前向きな「集中と選択」が求められているのかもしれない。撮影/中地拓也

 日本国内には、さまざまなサッカーの大会が存在する。その中でも独特の地位を占めているのが、「全国社会人サッカー選手権大会」だ。通称「全社」とは、どのような大会なのか。サッカージャーナリスト人生で初めて観戦した後藤健生が、同大会の「魅力」と「危険」を指摘する。

■地決「決勝進出チーム」がJSLへ

 当初は、この社会人選手権大会の優勝・準優勝チームにJSLとの入れ替え戦出場資格が与えられていた。

 だが、その後各地域リーグが整備されたことによって、1977年からは各地域リーグの上位チームによる「全国地域リーグ決勝大会」が創設され、この大会の優勝・準優勝チームがJSLへの挑戦権を獲得する形となった。

 リーグ戦の昇格は、カップ戦の成績ではなく、リーグ戦の成績によって決めるというのは、正しい考え方だろう。

 全国地域サッカーリーグ決勝大会は、ファンの間では「地決」として親しまれてきた。2016年大会からは大会名が「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」(地域CL)と変更になったが、今でも「地決」と言う人が多いようだ。

「地決」が、9地域リーグの優勝チームだけで争われる大会であれば、コトは非常に単純なのだが、それ以外の3チームにも出場権が与えられる。「全社」でのベスト4に進出したチームがまず、その対象となる。ベスト4に進出し、なおかつ地域の最上位リーグに所属しており、しかも、そこで優勝していないチームには「全社枠」として、地域CL出場権が与えられる。

 それでも、地域CL出場チームが12に達しない場合には、100年構想クラブに出場権が与えられ、それでもまだ12に満たない場合には、いずれかの地域リーグの2位チームも出場できる(その、特別枠を与えられる地域は、毎年変わっていくので「輪番制」と呼ばれている)。

 きわめて複雑な方式だ。

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