■フランス・サッカー史上最高の「監督」と…

 1950年代後半の「スタッド・ドゥ・ランス」がなぜフランスの人々の心に残っているのか、「キーワード」として3人の人物の名前を挙げたい。1人目はアルベール・バトー。フランス・サッカー史上最高の監督と言われている。2人目はレイモン・コパ。フランス・サッカー史上最高のプレーメーカー。そして3人目はジュスト・フォンテーヌ。フランス・サッカー史上最高の点取り屋である。

 ランスはフランス東部、シャンパーニュ地方のマルヌ県にある。10年ほど前、リーグアンで「ランス」といえば「RCランス」というクラブだった。だが、このクラブのホームタウンは「Lens」。カタカナだと同じになってしまうが、フランス語ではまったく違う。

「Lens」はフランス北部、ベルギーとの国境に近いオードフランス地域のパドカレー県にあり、両市の間には約150キロもの距離がある。東京―静岡ほどの距離である。「Reim」のほうは、フランス人の発音では「ハンス」というように聞こえる。

 ただ、「Reims」を「ランス」と読むのは、外国人にとっては簡単ではない。英語圏の人なら「レイムス」と読むだろうし、ドイツ人なら「ライムス」か。ただ、名古屋の子どもたちは正確に「ランス」と読むかもしれない。姉妹都市になっているからだ。

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