■1-0での勝利を「実現する」スタイル

 スコルジャ監督の今見せているサッカーは、1-0での勝利を実現するスタイルだと言える。相手にボールを持たれると、最終ラインはペナルティエリア深くラインを敷いて、人数をかけて守る。人数をかけて守るということは、守備から攻撃にチェンジするときに、敵陣に入って人数をかけるのが遅れるということである。
 そうしたことをクリアするために、サイド攻撃が中心になる。ディフェンダーからサイドへのロングボールの配給や、タッチラインを使って縦に走らせてボールをもらった選手がペナルティエリア中央にクロスを入れる。したがって、中央突破から打開するシーンはあまり見られない。
 どんなスタイルや戦術においても、サッカーには原理原則がある。中央のスペースを攻めるのでサイドのスペースが空く、あるいはサイドのスペースを攻めるので中央のスペースが使えるようになる。今の浦和には、そういったサッカーの原理原則が見えてこない。
 こうしたピッチで行われている事実を読者に届けるために、最適な方法はないのかと考えた。動画に追順したコラムを書けば、読者がピッチで何が行われていることがよりわかるのではないのか。
 そのため、DAZN JAPN公式ユーチューブなどにある浦和レッズ対C大阪戦の激闘ハイライト(記事の最終ページにリンクが置いてあります)の場面に沿って解説していくことにする。

「サッカー批評Web」においては、今後のコラムはこうしたスタイルを取っていこうと考えている。実際に起こっていること、目に見えること、本来ならば、こうしたやり方が望まれるという内容を記していきたい。
 まずは、浦和の失点シーンから話をしよう。

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