■秋葉采配ズバリ!!交代出場の選手が連続得点

 72分だった。ボランチ中村亮太朗の縦パスに、矢島が反応する。北川を追い越してDFラインの背後を取ると、胸コントールからGKの頭上を破るループシュートを決めたのだった。この日の清水に欠けていた2列目からの飛び出しと、中村の中距離パスが見事につながったゴールシーンだった。

 秋葉監督は77分に乾を、83分にはMFルーカス・ブラガと北川を下げ、アタッカー陣の顔触れを入れ替える。攻撃の出力を上げていくと、86分に左サイドでテンポ良くパスをつなぎ、最後はゴール正面の矢島がワンタッチシュートで仕留めて3点目をゲットする。

 すでに勝利は決定的となったが、清水は最後まで攻撃のアクセルを踏み続ける。89分、左CKからの競り合いでゴール前に残ったボールを、ドウグラス・タンキが左足でプッシュする。今シーズン4度目となる1試合4得点を記録し、山口を4対1で退けたのだった。

 矢島は7試合連続の途中出場で、勝利の立役者となった。北川と交代したドウグラス・タンキは、5試合ぶりの出場で1得点1アシストを記録した。ルーカス・ブラガに代わったMF郡司璃来は、6月16日の第20節以来の出場で、チームの3点目の流れに絡んでいる。

 清水は台風の影響で延期となった29節の徳島ヴォルティス戦を、中3日で消化することになっている。そこからさらに中3日で、藤枝MYFC戦が控える。徳島は連勝中、藤枝は3連勝中と状態の良い相手と、今シーズン苦手にしてきたアウェイで戦う。

 中3日の3連戦では疲労が気になるだけに、途中出場の選手が結果につながるパフォーマンスを見せたのは大きい。さらに大きいのは、エースFW北川にゴールが生まれたことだろう。

 徳島、藤枝とのアウェイ連戦の次は、首位を走る横浜FCとの直接対決だ。勝負の3連戦を前にエースが精神的に吹っ切れたことが、チームにとって何よりの好材料と言える。

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