■在籍わずか半年で「11ゴール」の大橋祐紀が…
J1リーグでそこそこの結果を出していた選手であれば、ヨーロッパに渡っても普通にプレーすることができる……。時代は、そんなところまで来ているのだ。
たとえば、大橋祐紀。2024年シーズンは、昨年まで湘南ベルマーレに所属していた大橋は、サンフレッチェ広島に移籍し、首位争いを繰り広げる広島で11ゴールを決めていた。だが、広島在籍わずか半年で大橋はイングランドの2部リーグに当たるEFLチャンピオンシップのブラックバーン・ローヴァーズFCに移籍した。すると、開幕節で途中交代で出場した大橋は、いきなり初ゴールを決めてみせたのだ。
つまり、「J1リーグで点を取れる選手ならイングランド2部でも点が取れる」というわけだ。
J1リーグというのは、空洞化するどころか、ヨーロッパのサッカー大国の2部リーグや、中堅国のトップリーグと同等の強度を持つリーグに成長しているのである。
そして、日本では下部リーグも充実度を上げつつある。まさに、育成の成果というしかない。
ヨーロッパのクラブにとっては、日本は安くて使い勝手の良い(チームの決まり事に忠実な)選手の供給源ということになる。今後も、さらに多くの日本人選手がヨーロッパに渡ることだろう。
もし、何らかの事情で選手の育成が滞ったりしたら、Jリーグはたちまち空洞化してしまう。あとは、Jリーグが財政的にもヨーロッパのリーグ戦と同等にまで成長すれば、選手の輸出入のバランスが取れるようになり、Jリーグのレベルはさらに上がることになる。