■自然に出たゴール後の行動

 昨年10月17日のチュニジア代表との国際親善試合(ノエビアスタジアム神戸)以来、324日ぶりに決めた代表通算14ゴール目。仲間たちによる歓喜の輪から解き放たれた伊東は、ファン・サポーターが陣取るゴール裏へ深々と頭を下げた。

「自然に出ました。声援に対して『本当にありがとうございます』という感じで」

 珍しいゴールパフォーマンスの意味をこう明かした伊東は、ベンチのメンバーを含めて、復活を告げる自身のゴールを喜んでくれた仲間たちにも感謝している。

「自分が喜ぼうと思ったときには、すでにみんなが周りにいました。映像も確認しましたけど、ベンチのメンバーもめちゃくちゃ喜んでくれていて本当によかった」

 カタールで開催されていたアジアカップの期間中に、一部週刊誌で性加害疑惑と刑事告訴が報じられた。仲間たちは最後まで反対したが、最終的には日本サッカー協会の判断でチームを離脱。伊東を失った森保ジャパンは一夜明けた2月3日のイラン代表との準々決勝で敗れ、本命にあげられていた優勝を逃した。

 3月、6月シリーズでも招集外だった伊東のもとには、森保一監督から「純也を守るために呼ばなかった」と連絡が入っていた。代理人弁護士を通じて事実無根を訴えていた伊東は、推定無罪の大原則のもとで、代表を離脱した直後からリーグ戦で起用し続けてくれたスタッド・ランスで、サッカーだけに集中する日々を送った。

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