後藤健生の「蹴球放浪記」第224回「欧州クラブの育成部門は高校の部活」の巻(1) フランス初優勝を可能にした「アカデミー運営」とチャンピオンズカップ準優勝チームの「個人教授」の画像
16歳でセリエAデビューを飾ったセバスティアン・ジョヴィンコが出場した、U-21代表のクロアチア×イタリア戦。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生がカバーするフィールドは広い。ワールドカップも取材すれば、若手の育成にも目を向ける。強い代表チームやクラブが生まれるには、それなりの理由があるのだ。

■自国開催「ワールドカップ」で初優勝

 25年くらい前にヨーロッパ各国のサッカークラブの取材をしていた時期がありました。

 最初に取材に行ったのはフランスでした。

 フランスは1998年に自国で開催したワ-ドカップで初優勝しましたが、それが可能になったのは若手選手の育成に成功したからです。

 クラブチームは大金をはたいて外国人選手をかき集めれば強化することができますが、代表の場合は自国で選手を育てるしかありません。日本代表が強くなったのも、選手の育成に成功したからにほかなりません。

 フランスではサッカー連盟(FFF)がクレールフォンテーヌに有名な研修センター(INF)を立ち上げ、各クラブもアカデミーに力を入れました。そうした努力が実ってワールドカップ初優勝につながったのです。

 そこで、ワールドカップの翌年、1999年にフランスのクラブで育成部門がどのように運営されているのかを見に行ったのです。

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