■サッカー部に「高校が付属した」日本

 高校に通わせるよりは個人教授を雇うほうが理想です。そうすれば、学校の時間に合わせてトレーニングを行う必要がなく、トレーニングのスケジュールを優先させて、その合間に授業を行うことができるからです。

 だから、トップクラスのクラブではクラブ内で教育も行うところが多いのです。外国人選手の場合には、フランス語教育もしなければいけません。

 余談ですが、日本の高校のサッカー部というのも素晴らしいシステムですね。なにしろ、サッカー部に本物の高校が附属しているのですから……。

 宿舎を訪れると、授業を終えた選手たちとすれ違います。すると、選手たちは見知らぬ外国人である僕に対して「ボンジュール」と、きちんと挨拶してきます。「人間教育という面でもしっかりしているんだなぁ」と感じました。

 そして、日本の高校の運動部の部活動とも似た感覚を覚えました。

 その後、イタリアやイングランドやポルトガル、アルゼンチンなど、いくつもの国でクラブの育成部門を取材しました。もちろん、国によって考え方が違う面もありますが、どこの国でも高校の部活っぽさを感じたものです。

(2)へ続く
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