■スペイン戦では「左サイド」に期待

 ここまでの3試合を振り返ると、スタメンで起用された選手が試合の流れにスムーズに入り、途中出場の選手がギアを上げることができています。チームとしてのプレーモデルが明確で、やるべきことが整理されているからなのでしょう。大会初スタメンと初出場の選手もいたイスラエル戦の勝利は、チームの総合力でつかんだものでした。

 8月2日に行なわれる準々決勝の相手は、スペインとなりました。スペインも2連勝でグループステージ突破を決め、エジプトとの第3戦では第2戦からスタメンを10人入れ替えました。その影響もあって1対2の苦杯をなめたのですが、日本と同じように彼らもここまでの3試合でフィールドプレーヤーを全員使っています。試合に臨む条件はほぼ同じ、と考えていいでしょう。

 日本で期待したいのは左サイドの3人です。パラグアイ戦のスタメンをぶつけるとの前提で、SBの大畑歩夢、インサイドハーフの三戸、それにウイングの斉藤光毅です。イスラエル戦では右サイドからの崩しで決勝点をあげましたが、彼ら3人が構成する左サイドは攻撃の強みとなっています。

 スペインは代表に定着している選手もいます。「個」の比較ではあちらのほうがレベルは高く、ボールを握られることも想定しておくと、GK小久保とCBの頑張りが不可欠になります。藤田のゲームコントロールはもっとも重要で、イスラエル戦で大会初ゴールを決めた細谷の活躍も勝利には不可欠です。

 スペインには東京五輪の準決勝で敗れています。大岩監督のチームも、22年11月の親善試合で0対2の敗戦を喫しています。「今度こそ」という気持ちは強いでしょうし、ノックアウトステージではとにかく結果を追求していく。グループステージの3試合と同じように粘り強く、しぶとく、したたかに、自信を持ってスペインに立ち向かい、勝利をつかんでほしいのです。

(7)へ続く
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